木魚の教え
お坊さんがお経を唱える時、
ポク、ポク、ポク……
という木魚の音を聞きながら、
教えられることがあります。
木魚の音は、
石に落ちる雨だれの音と同じです。
雨だれの
ひとしずく、ひとしずくには、
力がありません。
けれども、この力なき雨だれが、
倦(う)まず弛(たゆ)まず、
慌てず、急がず、
石の上に落ちているとしましょう。
時が経てば、
ついには大きな石に、穴をあけ、
貫きます。
人も、この雨だれのように、
気を抜かず、怠けず、慌てず、
根気よく、コツコツと励んでいけば、
やがて大きな目標に至る。
ただ、一途に努めることの尊さです。
木魚の音は、それを教えてくれます。