子どもが死を怖がりはじめた……

曾祖母が亡くなったのをきっかけに、死を怖がるようになった小2の息子。どう話してあげたら安心させられるのかとママは戸惑うばかり。
登場人物
小6、小2の2人の育児に悩みが絶えない若手ママ。
何でも遠慮なくズバズバ言ってしまう大阪人。若手ママの義母。
仏様の智慧で家庭を円満に導くおじいちゃん和尚。
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お義母さん……。下の子が、先日のお葬式以来ふさぎこんじゃって、話を聞いてみたら「死ぬのが怖い」って言って泣くんです。 |
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亡くなったひいばあちゃんが大好きやったから、ショック受けたんかなぁ。 |
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どう話せばいいか分からなくて……。 |
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こんな時こそ、和尚さん、頼んまっせ。 |
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はいはい、話は聞きましたぞ。おそらく身内の人の死を初めて体験したせいで、死をリアルに感じ始めたんじゃろうな。 |
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どうしたらいいでしょうか? |
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平均寿命でいうたら、あの子の人生はまだ70年以上残っとるし、まだまだ大丈夫や!って言うてあげたらええんちゃうの? |
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それも妙案じゃな。まずは安心させてあげることが大切だと思いますぞ。 |
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ママ、解決や。帰ろか。 |
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まぁ、待ちなされ。子どもが死について意識し始めたなら、命について教えるいい機会かもしれませんぞ。 |
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命について、何をどう教えたらいいんでしょうか? |
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まず、命あるものは、いつか必ず死ぬということを教えてほしいのぅ。 |
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けど、「どうせ死ぬんなら生きててもしゃあない」と、子どもが思わんやろか? |
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ではオカンさん、おいしそうなケーキを前にして「食べたらなくなるから食べてもしゃあない」と思いますかな。 |
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思うわけない。食べますがな。 |
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ケーキも命も限りがある。けれど、食べればおいしいし、生きればたくさんの喜びがある。命とは、ありがたいものなんじゃ。 |
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うまいこと言わはる。 |
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それともうひとつ。命はつながっているということ。両親や祖父母、その親、そのまた親、ずっと昔のご先祖さまからつながって、自分が生きているということを教えてほしい。 |
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そや、私の母、ひいばあちゃんがおらんかったら、私も孫もおらんわけやし。 |
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自分ひとりだけの命ではなく、大きな命のリレーの中で生かされていると知れば、死を恐れるキモチも和らぐと思うがのぅ。 |
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なるほど。あの子が落ち着いたら、話してみます。 |
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ところで和尚さんは、死ぬのが怖いことないの? |
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私は何にも怖くない。死んだら仏様が迎えに来て極楽浄土に連れて行ってくださると信じておるからのぅ。むしろ待ち遠しいくらいじゃよ、ほっほっほ。 |
情報
タイトル | 子どもが死を怖がりはじめた…… |
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投稿日 | 2022.11.04 |
著者 | モバイル金剛寺 |
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