チャイルドシートはかわいそう？

チャイルドシートをイヤがって大泣きする2歳の子どもを「かわいそうだから」と抱っこして乗ろうとするパパ。ママは猛反対するが……。

	和尚さん、聞いてください。うちのパパったら……。
	えー、やめてよ。すぐボクを悪者にして告げ口するんだから。
	はいはい。夫婦ゲンカはそこまで。ママさん、どうしたんですか？
	子どもをチャイルドシートに座らせないで、パパが抱っこして車に乗るって言うんです。
	だって、チャイルドシートをイヤがって泣いてるんだよ。かわいそうじゃん。
	かわいそうも何も、もし事故に遭ったら取り返しがつかないでしょ！
	気にしすぎだよ。ママは安全運転だし、乗ってる時間も短いから、事故なんて起こらないって。
	ブーッ！パパさん、アウト！父親失格ですよ。
	ウソ？なんで？
	どんなに安全運転でも、対向車が急にはみ出してきて避けられない場合もあります。事故なんて起こらない、という安易な考え方では、子どもは守れないと思いますよ。
	でも、しっかり抱っこしていたら大丈夫じゃないんですか？
	時速40キロで衝突すると、6メートルの高さから落下したのと同じ衝撃があるそうです。どんなにしっかり抱いていても、子どもは手から離れて飛んで行ってしまいます。
	もしそうなったらって、考えただけでゾッとします……。
	チャイルドシートは子どもの命を守るために不可欠で大切なもの。それに、チャイルドシートに座らせないのは法律違反ですからね。
	分かりました……。けど、ワンワン泣いてる子どもをムリにチャイルドシートに座らせるのは、やっぱりかわいそうで……。
	じゃあ、まず子どもの機嫌を直してあげましょう。これから出かける場所の楽しいことを想像させたり、子どものキモチを上手に切り替えてあげたらいいと思いますよ。
	あ、そっか。楽しいキモチになれば、すんなり座ってくれるかも。
	それと和尚さん、祖父母も抱っこで乗ってそうで心配なんですが……。
	孫には甘いですからね。でも、事故に遭えば可愛い孫の命が脅かされるわけですから「抱っこで乗車は絶対ダメ」と親の考えをしっかり伝えておくことが大事ですよ。
	そうそう、うちの両親は孫には大甘で楽天的だからなぁ～。
	どの口が言うんだか……。