子ども相手に大人げない?

8歳の子ども相手の将棋でまったく手加減しない大家族パパ。ばあばは「大人げない。たまには負けてあげたら?」とパパを責めるが……。
登場人物
10歳、8歳、5歳、3歳の4人の子どもたちのパパ
大家族のおばあちゃん。自身も5人兄弟の大家族で育つ。
仏様の智慧で家庭を円満に導くおじいちゃん和尚。
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ねぇ、パパ。子ども相手に大人げないと思わないの? |
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え、もしかして将棋のこと? |
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そう。パパにこてんぱんに負かされて泣いてたわよ。まだ8歳なんだから、たまには手加減して負けてあげればいいのに……。 |
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ダメダメ。わざと負けても子どものためにならないし、負けたのが悔しくて泣くぐらいじゃないと上達しないよ。 |
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そんなものかしら……。 |
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ほほぅ、将棋ですか。パパさんはお強いんですかな? |
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いえいえ、大して強くもないんですが、相手は将棋を始めたばかりの子どもですから、負けないですね。 |
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それほど実力差があるなら、パパの駒を減らしてハンデをつける「駒落ち戦」という方法もあると思うがのぅ。 |
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そうなんですが、子どもがハンデはイヤだって言うんです。 |
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えーっ、そうなの?せっかく勝てるチャンスなのに……。 |
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子どもなりに意地があるんです。 |
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ふむ。そのキモチ、あっぱれじゃ。ハンデや手加減で勝たせてもらっても、その喜びは一時的なもの。本当に自力で勝ってこそ、心から喜べるんじゃないかのぅ。 |
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そうですよね。実は上の子が小さい時に、ゲームでわざと負けたことがあるんです。でも、子どもも手加減されたのが分かったみたいで、あんまり喜ばなくて……。 |
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勝ちたい、けれど手加減されるのは面白くない。つまり、子どもは大人と対等に勝負して勝ちたいと思っているんじゃな。 |
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ですよね。だから、将棋は手加減なしの真剣勝負でやってます。 |
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ふむふむ。子どもが真剣に勝ちたい、強くなりたいと思っているなら、大人は本気で勝負して、壁になってあげることが大切だと思いますぞ。 |
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はい。大した壁じゃないから、そのうち乗り越えられてしまうかもしれないけど、頑張ります。 |
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人生は壁だらけ、負けてばかりだから、壁にぶつかっても逃げない、負けてもくじけない、そういう強さをもった子どもに育ててほしいもんじゃのぅ。 |
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はは……。ボクはけっこう壁から逃げたり、負けてくじけたりする方ですが……。 |
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ごめんね。パパが子どもの頃、私がわざと負けてあげてたせいで、そうなっちゃったのかも……。 |
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え?ええーっ! |
情報
タイトル | 子ども相手に大人げない? |
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投稿日 | 2024.02.23 |
著者 | モバイル金剛寺 |
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