和尚と考える終活113:少子高齢化【3】~原因は少子化
超高齢社会の日本。「年寄りばかり」という感覚が芽生えますが、実はこの高齢化の原因はもう1つあるって、ご存じですか?
栄養が良くなり、医療体制も充実、さまざまな情報もリアルタイムで手に入る。とても暮らしやすい社会になってますよね。重篤なご病気になられ、口からの栄養摂取ができなくなると、点滴や胃ろうなど、生命の維持活動を限りなく延長する技術もあります。その結果、平均寿命も延びて、世界一の長寿国日本ができたんです。なのに、なんで高齢化が問題視されてしまうのでしょう。長生きはいいことではないですか?
さあここです。お気づきの方もおられるかもしれませんね。そうです、日本の国が長寿国になることで、なぜ問題が起きるのか。その原因は、高齢者が増えるからではないのです。「少子化」という状況がこの問題を発生させているんです。
以前、お墓や祭祀継承のお話もしましたね。最近の流行「墓じまい」でしょうか。なんで「墓じまい」という日本語が生まれたのですか?最たる原因は「少子化」であります。子どもが少ない、おられない。子どもがいても結婚しない。こういった事象が空を覆う雲のごとく、広くこの国を覆っております。だからお墓を守る人がいない。なので「墓じまい」となったんですよね。
もし日本が「多子化社会」であったなら、「和尚と考える終活」なんていうコラムはなかったかもしれません。そもそも「終活」という文化は生まれなかったでしょうね、きっと。「少子高齢化」と言いますが、「高齢少子化」とは言わないですね。深く考えて作ったのかどうかわかりませんが、やはり「少子化」の方が問題なのかもしれません。