和尚と考える終活5:うまくいかない「身辺整理」
終活の取り組み方にはさまざまな形があります。最も多くの人が取り組もうとされるのは、いわゆる「断捨離(だんしゃり)」をはじめとした身辺整理でしょうか。
「自分が亡くなった後、子どもたちに少しでも負担をかけたくない」そんな家族愛からおこる身辺整理、物品の整理処分でありますが、実はなかなかこれが途中で挫折される人が多いんです。私がアドバイスさせてもらった人でも、うまくいった人といかなかった人との比率は1:5くらいでしょうか。
うまくいかなかった人の主な原因は、①時間がない、②体力が続かない、③判断が鈍るなどです。 ①についていえば、時間は自分で作るしかないですよね、意識的に作業時間をつくることでクリアできます。でも②と③なんですが、これは時が経過すればするほど状況が悪化します。
②の体力、③の判断力、皆さんが20代、30代ならばいざ知らず高齢に近い人ですと、②も③も時々刻々と状況は悪くなっていきます。ですから身辺整理に取り掛かる人は、ちょっとでも早くすべきなんです。
さあでも、1人の力は所詮1人、重たいものを自分1人で移動は難しいこともありますよね。そこで大切な部分があります。「人と人との関わり」です。私たちはうっかりすると「自分の力で生きてる」などという錯覚に陥りがちですが、人は1人では生きていけないんです。だからこそまず終活で大切なことは「人と人との関わり」をしっかり持っておくということなんです。
【和尚と考える終活】では、この「人と人との関わり」が話の中心になっていきます。