和尚と考える終活74:お墓【4】~お墓がビジネス?
「お墓がビジネス」この和尚は変なこと言いますね。「お墓はご先祖様の遺骨を納め、供養を手向けるいわば神聖な場所、それがビジネスって、なんかイメージが…」と言われそうですね。でも現代社会において、これはれっきとしたビジネスなんです。だから、「納骨堂の閉鎖・倒産」ということが起きるんです。
皆さんの住居は、持ち家? 分譲マンション? 賃貸? 高齢の方ですと、施設入居という方もおられるかもしれませんね。その年齢、年代に合った暮らし方が存在するわけでありますが、これらは生きている間の住居ですよね。では「墓・納骨堂」は?そうです、「亡くなってからの住居」と言い換えられますよね。考え方として合っていると思います。考え方として。「なんで復唱するんだ?」
はい、ここがちょっと認識しておくべき大事なポイントなんです。何を言いたいかと申しますと、仮に皆さんの現在の住居が土地も家も「自己資産」であるとしましょう。するとまあ税金さえ払えば基本的にずっと使えますよね、自分のものですから。ところが「墓」。土地は霊園の分譲を買った。墓石は墓石屋さんに代金を支払った。だから「自己資産」と思われがちなんですが、いわゆる「不動産」の括りではないのです。
実際にお墓の「登記簿」ありますか? ないでしょ。そうなんです、墓は不動産ではないのです。では何にお金を支払ったのか、これが「永代使用料」という使用権を購入した、という形なんです。前にもお話したかと思いますが、「相続」の財産に「墓」は入らないのが原則なんです。「祭祀継承権」という権利の一つとして継承されるものが「墓」ということなんですよ。
少しややこしくなってきたかな? もう少しお付き合いを。