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和尚と考える終活

和尚と考える終活100:お世話になります【1】~素直に頼る

和尚と考える終活100:お世話になります【1】~素直に頼る

皆さん日頃よく使っておられると思いますが、「お世話になります」って言葉。使いますよね。私もよく使います。社会生活を営む上で、私たちはいろんなことで人様のお世話になるわけで、その意味において「お世話になります」という言葉を常に使っているのではないでしょうか。

この言葉、実は人と人との関わりを維持する上で、とても大切な「鍵」となる言葉なんです。ところが、終活に取り組む高齢者の方々はよく「子どもたちに世話をかけないようにしたい」みたいなことをおっしゃられます。私、これすごく変だなと思っているんです。皆さん使ってるでしょ「お世話になります」って。だったら子どもさんたちにも「お世話になります」って言えばいいんじゃないでしょうか? なんで他人には言えて、子どもには言えないのでしょうか?

これは私の想像ですが、変なプライドが邪魔をしてるんじゃないかなと思うんです。オギャーと生まれたときから「親と子」という立場で、優位を貫いてきたのが親かもしれません。すると、子どもに対してその優位性をずっと維持したい、あるいは子どもから常に頼られるべき存在で居続けなければならないという、父性や母性が働いているのかもしれませんね。

しかし、高齢者となり一定の時期を経過すると、知力、体力、記憶力ともに衰えてくるのは自然現象です。つまり、太陽が東から上って西に沈む。水が高きより低きに流れるのと同じで、全く逆らうことのできない現象なんです。知力、体力、記憶力が低下する自然現象が到来した時、やはり「ゆだねること」は不可欠だと私は考えます。

親としての真の優位性は、「世話になる」ことを自覚して、素直に頼ること「お世話になる」ことではないでしょうか。

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情報

タイトル和尚と考える終活100:お世話になります【1】~素直に頼る
投稿日2024.02.02
著者 良活和尚
テーマ
アイキャッチ和尚と考える終活100:お世話になります【1】~素直に頼る