和尚と考える終活26:葬儀とは【1】~主役は誰?
終活をされる方が、絶対忘れてはいけない認識は何でしたっけ?そうです。「私も死ぬんだ」という認識でしたね。この認識がないと全く前へは進みませんので、改めて思い出しておきましょう。
さあ、この世の寿命が終わった後、まず発生するのが「葬儀」であります。では、この葬儀について少し勉強していきましょう。えっ、そんな縁起でもないって? いやいやみんな死にますから。「形あるものは滅する」これこそ仏教の「縁起」観ですからね。
さて、昨今の葬儀のありようを見てみましょうか。とその前に、大前提として持ち合わせておいてもらいたいのが、葬儀は「多種多様」である、ということです。例えば同じ宗教であっても、地域によって全く流れが違ったりしています。また時代の変化によって、今もなお変遷を遂げているのが葬儀でもあります。ですから、そのすべてを列記することは到底できません。(全部列記する前に私の葬儀になりそうですから……)このコラムでは、いくつかのパターンや考え方をご紹介する形になると思いますので、それだけは踏まえておいてくださいね。
前置きが長くなりましたが、そもそも葬儀とは何ぞや。良活の考え方からお伝えします。葬儀の目的は大きく二つ。まず一つは、自分と何らかの関係性のある方の人生の労を尊ぶ最後の儀式。今一つは、近親者が故人との別れを認識するための儀式。この二つであろうと考えております。
ただもう一つ忘れてはならないこと、それは、葬儀の主役は「故人」であるということです。この点をまずは間違えないようにしてください。喪主は生きている人がつとめます。当たり前ですけど。でも、この喪主というお役、「故人」が無ければ発生しませんよね。まずは、葬儀の主役は亡くなられた故人であること、これをしっかり認識してほしいと思います。