和尚と考える終活(新型コロナ対策編)3:「手当て」してくれる人に感謝を
「人類の歴史は疫病との闘いの歴史」こういう言葉を耳にしたことがあります。正確ではないかもしれませんが、100年前にはスペイン風邪が、200年前にはコレラが、300年前にはペストが発生し、多くの命が失われたそうです。
当時、細菌やウイルスに対する研究や情報伝達も、今ほどではなかったはずです。しかし、先人たちは智慧と努力を結集して、克服してきました。必ず現代の私たちも、この目に見えない敵に勝利することができると信じております。
しかし一方で、感染者が増えれば増えるほど、医療従事者の数が不足していきます。科学万能と言われて久しく、最近ではAIの発達によって生活の利便性もどんどん向上していることは、きっと肌で感じておられることでしょう。
でも、今こそ気付いてほしいのです。「最後は人」だということを。
「手当て」という言葉、語源はまさに病気やケガをしたときに患部に手を当てる行為であります。感染した人たちは、体内でウイルスと闘っていますが、医療従事者は、自分が感染するリスクを背負いながら患者を手当てし、ウイルスと闘ってくれています。もしあなたが感染したら、その方たちにお世話していただくのです。ところが、医療従事者の家族に対して、心ない差別をする人があると聞きます。これは絶対にあってはならないことです。
自分や家族が感染したとき、手当てしてくださる方がおられなかったら、どうしますか?見ず知らずの人であっても分け隔てなく向き合い、手当てをしてくださる方々には、感謝と敬意を払うべきでしょう。 そして、医療従事者の方々の負担を増やさないためにも、感染しないための努力が大切なのだと思います。