和尚と考える終活15:死は「待ったなし!」【2】遺体の始末
遺体の始末、なんか乱暴な言い方ですかね。でも物理的には、遺体の始末・処理なんです。
皆さん、今、普通に行われている始末の仕方は何ですか? そう「火葬」ですよね。でもこの火葬、実は昔は主流ではなかったんですよ。今から約100年前の大正14年(1925年)では、火葬率は全体の43.2%です。90%を超えたのは昭和55年(1980年)ですから、つい40年前ということになります。
では火葬でないときの主流は何か。「土葬」です。しっかりした理由はわかりませんが、とにかく遺体をそこらへんに放置することはできなかったということでしょう。日本には「古墳」というものがあり、それらは石棺に納めて葬られた文化ですが、それにしても、日常とは違う環境に遺体を葬ったんですね。もちろんそこには倫理的、宗教的感性が働いておりますが、今回のお話はそちらではなく、遺体の始末は誰が、ということ。まあ現代社会では、衛生上「焼く」ことが主流になっているということです。
昔よく言われませんでしたか、「自分のことは自分でしなさい」って。言われましたよね、でも最後の最後、こればかりはダメなんです。自分で自分を焼けないんです。さあ、誰かに焼いてもらいます。誰が焼いてくれますか、火葬場の職員さんがコンガリ焼いてくれますね。でもね、一定の手続きを経なければ、焼いてもらえないんです。ではどんな手続きがありましょうか。
まずは医師という方から「死亡診断書」ナルものを発行していただかねばなりません。「〇時〇分、〇〇さんは死亡しました」という書面がないと、焼いてもらえないんですよ。
焼いてもらうためのスタートライン、医師の死亡診断書。お医者様、ありがとうございます。