和尚と考える終活23:モノの整理・処分【4】~モノの命の起源
モノを増やさないことを以前お伝えしたかと思いますが、ここでモノの命の起源をたずねてみましょう。
今あなたがお召しになっておられる肌着、どなたが作ってくださったものですか?そうですか、わかりませんね。 次に、あなたはその肌着をどうやって入手しましたか?お店で購入したんですね。わかりました。ではどなたがお店に並べてくださいましたか?店員さん?ではお名前は?ご存じないですか。では購入したお店まで、どうやって、誰が運んでくださいましたか?運送屋さん?「うん、そうや」、こりゃ失礼。では、どなたが検品を?生地の裁断や縫製はお知り合いの方がされたの?綿糸はどなたが紡いだのですか?綿花の栽培収穫はどちらの畑で、なんという方がしてくださったのですか?
さあどうでしょう、まったく答えられませんね。そうなんです、私たちはたった1枚の肌着でさえ、自分で作ることもできない、ましてや、一体何人の知らない方々の手によって、自分の手もとに来たのかさえ知らないのです。もしかすると何百、何千の人の手を通ってきているかもしれないですよね。そう考えますとやはり、モノに対しては、深い感謝が無くてはならないのではないでしょうか。
モノを増やさない終活。それはたくさんの命を無駄にしない為です。現代社会はモノだらけの社会で、モノがあることが「あたりまえ」になっています。でもよく考えてみてください。毎日食べるお米、日照り続きでも、長雨が続いても、収穫は得られません。だとしたら、ご自身を振り返って、モノの命に感謝をしていたか、それを顧みることも終活で取り組んでもらいたいことですね。
さあ今日から、モノの命に感謝しましょう。