和尚と考える終活25:モノの整理・処分【6】~写真整理と秘儀その2
ところで、あるアンケート結果で、一番重荷に感じるモノの整理として「写真整理」が挙げられていました。確かに、身内の顔がそこにあるものについては、なかなか処分しづらいということも理解できる気がいたします。でも先々のことを考えると、少なくとも自分が映っている写真は、子どもさんたちよりも自分が処分しやすいですよね。ならばいざ。
さあ、ここでもこのコラムならではの秘儀をお伝えしましょう。それはこの写真整理でさまざまなことを家族に伝承できるととともに、家族を守ることができるということです。
具体的には、例えばお孫さんと一緒に写真整理をします。その時におじいさまをたたえるエピソードの写真を取り出して、「これはおじいちゃんが○○で表彰された時の写真」など。また、お孫さんのお父さんやお母さんの写真を出して、「これはあなたのお父さんが、○○で活躍した時の写真よ」など。
要は写真を整理しつつ、「僕のおじいちゃんは、こんな立派な人だったんだ」「私のお母さんはこんなに偉かったんだ」ということを、しっかり植え付けてあげるんです。するとお孫さんはそれを誇りとし、自己肯定感を高め、ご自身が立派な人になろうという意識が芽生えてくるのです。
また、過去にお世話になった方が映っている写真があれば、その方と我が家との関係を伝えておくことで、祝儀、不祝儀があった時、恥をかかなくて済むようになります。
一番重たいと感じられる写真整理は、その反面、家族を守る大きな大きな役割を果たしてくれます。元気なうちしかできませんよ。さあ、始めましょう。