和尚と考える終活49:相続【4】〜相続人(前編)
今回は、「誰が」相続するかにスポットを当ててまいります。
「法定相続」という言葉をご存知でしょうか。「法廷争族」ではないですよ。「相続法」で定められている相続の原則的決まりとでも申しましょうか。あらかじめ決められている相続の形であります。皆さんご自分の財産、誰が相続されますか?(我ながら、底なし沼に踏み込んでしまったかな。長期戦を覚悟しよう……)
例えば、4人家族、夫婦と長男、長女というケースで見ていきたいと思いますが……。オッと、先にこれを言っておかないといけませんでした。少し硬い言葉ですがご辛抱を。
- 配偶者は常に相続人。
- 血族で直系卑属である「子」が第一順位の相続人。
- 子がいなければ直系尊属が第二順位の相続人。
- 直系尊属もいない場合、兄弟姉妹が第三順位の相続人。
ハァ~。えーと、配偶者はわかりますね、夫や妻。血族の直系卑属とは、血縁がある自分よりも後の世代の親族。直系尊属はその反対ですから自分の父母。最後の兄弟姉妹はお判りと思いますが、せっかくですから「けいていしまい」という読み方も知っておいてもらいましょう。
話を戻します。もしもご主人や奥さんが亡くなったら、配偶者は常に相続人ですから、亡くなった本人の連れ添いさんは相続人。次にこの場合は直系卑属(子)がお2人おられますから、第一順位の相続人もあるということであります。ですがこののち、残された配偶者の方が亡くなられますと、もう配偶者がいませんので、直系卑属の第一順位の相続人が相続することとなります。
では、このご家族にお子さんがおられなかったら、第一順位の相続人がいませんから、第二順位すなわち直系尊属(父母)が相続人となります。で、しつこいですが、父母もいないとなりますと、第三順位相続人の兄弟姉妹、何と読むんでしたか? そう「けいていしまい」まあ、兄弟のことですけどね。そんな風に相続の権限は派生をしてゆくようになっていることも知っておいてください。