和尚と考える終活59:認知症【4】~認知症の対処法
認知症にはいろんな症状がありますが、それぞれへの対処法についても、少し知っておきましょう。
まず、失敗が多くなることから「意欲の低下」が現れがちです。強制するのではなく、工夫しつつ活動や外出を促しましょう。本人の意欲を高めてあげることが重要ですね。
次に「物盗られ妄想」があります。対応としては、「盗られた」という物を一緒に探してあげることが基本です。この時に「焦らせない」ことも大切です。
「怒りっぽくなる」という症状もあります。こんな時は、休息したり、お菓子を食べたりすると落ち着く場合があるそうです。怒りに怒りで対応し、火に油を注ぐような態度はいけません。
「徘徊」は、外出中にいなくなる場合と、自宅からいなくなる場合があります。物理的にハードルの高いことではありますが、やはり1人にする時間を極力少なくする、これが対策としては必要となります。
また「異食」といって、食べられないものを口にしてしまうことがあります。できるだけ人体に危険なものを身の回りに置かないことも大切ですが、一方、過度な対応はかえってストレスを感じさせることになりますから、この場合も周囲の見守りが必要となります。
そして、もう1つが「排泄」です。トイレが間に合わないというより、長年住んでいるのにトイレの場所がわからないということから起きる場合もあります。排泄の場合は、時間を設定して定期的にトイレに行くようにして、失敗の回数を減らしてあげることが必要となります。トイレは特に本人のプライドに大きく影響しますから、その部分を損なわないように関わることも大切なことです。
これら、絶対的対処法ではありませんが、まずはご家族が「寄り添うこと」これが基本ではないでしょうか。「子ども責めるな来た道じゃ、年寄笑うな行く道ぞ」昔こんな歌を聞きました。お互いさま、ですね。