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和尚と考える終活

和尚と考える終活68:高齢社会の生き方【7】〜送る方の終活

和尚と考える終活68:高齢社会の生き方【7】〜送る方の終活

今日のコラムは、ぜひ若い方に読んでもらいたいのです。いやいや、いつも見てくださるご高齢の紳士淑女の皆様はもちろんですがね。以前、終活は送る方と送られる方で成立する、というお話をしたように思いますが、実は「送る方」の人たちがもっと意識しなくてはいけないことなんです。世間では、先にあちらへ行く、時間的余裕のない方が、終活終活って目を向けてますが、実はそうではないのです。なぜかといいますと、行く側の人は「ご臨終」の瞬間に自分では何もできなくなる。ところが送る側の人は、その瞬間以降もいろいろ継続してくるんです。

どんなことが継続するかといいますと、物理的には葬儀の執行、満中陰までの供養や案内、葬儀費用の精算、各種保険や公的届け出、その上、いわゆる遺品整理や相続といったことが時系列で続いてゆくんです。でもまあ、そのようなことは手順に従って進めればいいだけですから、どうってことはございません。では何か。「想い」であります。亡き人に対する想いの整理です。これこそが若い人に読んでもらいたい和尚の想いなんです。よく耳にしますよ。「これでよかったんだろうか?」最近多いのが、延命措置の取捨であります。親に長生きしてもらいたい思いから、延命措置を講じる。しかし、言い方は失礼ですが、息をしているだけの姿を長く見なければならないという症例が多いのも事実です。かといって短絡的に延命措置はしない、と決断することもとても辛いことかもしれません。

そうなんです。だから「家族」の日頃からの向き合い方が重要で、しっかり向き合い、分かり合った中でこそ、双方が納得のいく選択が可能となるのです。若い方、家族としっかり向き合ってくださいね。見送った後も、亡き人への想いは長く続いていくのですから。

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情報

タイトル和尚と考える終活68:高齢社会の生き方【7】〜送る方の終活
投稿日2022.11.11
著者 良活和尚
テーマ
アイキャッチ和尚と考える終活68:高齢社会の生き方【7】〜送る方の終活