和尚と考える終活73:お墓【3】〜御遺骨の供養の形
終活の取り組みとして、一般的に「供養」というカテゴリーの中心は、「御遺骨」に対する物理的手段が多く取り上げられます。
「御遺骨」の物理的取り扱い方法。昨今は誠にバリエーション豊かなんですよ。まあ一般の多くの方は、墓や納骨堂が多いですが、墓でも植木や花木の根元に安置する「樹木葬」。御遺骨をパウダー状にして海へ撒く「海洋散骨」。また無人島に御遺骨を撒く「散骨島」もあります。
いわゆる「納骨堂」もさまざまなタイプがあります。皆さんが良くイメージされるのは「ロッカー式納骨堂」。お仏壇がたくさん並んだような納骨堂で、ご本尊様に近いところほど立派で高価なもののようですね。また近年は「自動搬送式納骨堂」なんかも都会では増えてきています。普段は収蔵室に安置されており、ICカードをタッチするとお参りする場所に骨箱が搬送されてくるものです。全天候型、墓参の新しい形などといわれるようです。
まあそんなさまざまな「墓や納骨堂」があるわけですが、一方、「手元供養」という形もあります。御遺骨を科学的に加工して、宝石のようにして、アクセサリーとして身に着ける。誰が考えたんでしょうね。これが供養といえるかどうかはあえて言及を避けますが、とにかくいろんな形があるわけです。
さあ、今いろいろとご紹介しましたが、一つここで確認しておかねばならないことがあるんです。それは、これら「御遺骨」の供養の形には、現代の言葉で申すならば「ビジネス」としての事業がそこに介在しているという事実です。霊園の墓地を購入する(実際には土地を購入するのではないのですが)、納骨堂を購入する(これも品物を購入することとは違います)、いずれも「契約」に伴う「決済」が生じるわけで、販売側にすると「ビジネス」なんです。「えっ、お墓がビジネス?」