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和尚と考える終活

和尚と考える終活79:お墓【9】~「送骨」という選択

和尚と考える終活79:お墓【9】~「送骨」という選択

お墓や納骨堂のお話ばかりしておりますが、ちょっと寒ーいお話も紹介しておきましょうね。これは現代社会がどう変わってきているのか、もっと言えば、どうおかしくなってきているのかというお話です。

皆さん「送骨(そうこつ)」という言葉をご存じでしょうか。「骨を送る」そうなんです。一定の料金を支払うと、お骨を送るための段ボール箱が送られてきて、それにお骨を入れて送ってしまう。という「お骨の処理方法」なんです。どうです、寒ーいでしょ。

この世の人と人のかかわりには、本当に種々さまざまな環境があると思います。そのいろんな事情の存在から生まれた方法であるわけですが、例えば、あるご夫婦が子どもさんがいない状況で離婚をしたとします。その片方が亡くなりました。肉親の直系親族がいない場合など、離婚者にその知らせが来る場合があります。離婚の仕方にもよりますが、むげに拒否もできないから遺骨を預かったとしましょう。しかし預かった本人も経済的に大変な状況であった場合、そのままお骨を置いておくこともできない、もちろん墓や納骨堂を用意するゆとりもない、といった中から、致し方なく「送骨」という選択をされる方もあるのです。

葬儀に「直送」という商品があることを以前お話しましたが、その葬儀後の遺骨の処理方法ということになりましょうか。「可哀そうに、そんなひどい形で」と感じられるお方もあるでしょう。決して多くはないですが、日本で現実に起きていることなのであります。

このコラムでも「人と人のかかわり」「家族の大切さ」を言い続けていますが、最後の最後に、本当にどう暮らしてきたかということが、否が応でも形としてもたらされてしまうのです。

夫婦仲良く、親子仲良く、兄弟仲良く、親戚仲良く、みんな仲良く。やはりこれですね。

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情報

タイトル和尚と考える終活79:お墓【9】~「送骨」という選択
投稿日2023.04.14
著者 良活和尚
テーマ
アイキャッチ和尚と考える終活79:お墓【9】~「送骨」という選択