和尚と考える終活83：おひとりさま【4】〜おひとりさま予備軍

「おひとりさま」の方の環境、状況は千差万別ですから、ことの善し悪しを申しあげることは不要でしょう。「家族と同居したいけどそれが許されず、やむを得ずひとり暮らしをしている」という方もおいでなわけですから。

では「おひとりさま」としては、終活にいかに取り組んでいくべきなのでしょうか。結婚をし、幸いに2人の子どもを授かった。それから30年して、子どもたちは独立。高齢の夫婦2人の生活が始まりましたが、配偶者が他界し、「おひとりさま」がスタートするケースもあります。また、「熟年離婚」からスタートする場合も、近頃は少なくないでしょうか。

いずれにせよ、子どもさんと同居生活をしない限りは、みんな「おひとりさま予備軍」。みんながひとり暮らしになる可能性を持っているということですね。ならば、準備をせねばならないと思いませんか？　ひとりで暮らす準備です。

ちょっと想像してみてください。ひとりなら誰にも気兼ねなく暮らせます。あなたの生活態度に小言を言う人もいません。案外気楽かもしれません。でも、もし高熱が出てしまったらどうしよう。急な発作が起きたら誰が救急車を呼んでくれるのか。認知症になったら……。などなど、不安材料も結構ありますよね。メリットもあればデメリットもやはりあるんです。でも、みんな「おひとりさま予備軍」ですから、避けては通れないんです。

では、何から準備していくべきなんでしょうか。私のコラムをご愛読の皆さんは、まずは何が必要か、改めて言わなくてもわかっていると思いますけどね。さて次回、その先を紐解いてまいりましょうか。