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和尚と考える終活

和尚と考える終活93:宗教と終活【1】~宗教の断捨離

和尚と考える終活93:宗教と終活【1】~宗教の断捨離

最近誤った終活をする方が増えてきております。これは、ある事件がその発端となっているのかもしれないのですが、過去にこの国の首相となられた方が暗殺されました。犯人は、その方とかかわりが深かったであろう宗教法人によって家族が崩壊し、その恨みから暗殺を計画実行してしまった、ということであります。このことにより何が起きているかといいますと、「宗教の断捨離」であります。

私のお寺には、ご年配の方が多くお参りされます。お参りに来られ、何を願っておられるのかというと、ほとんどが「子や孫の幸せ」であります。ところが、先述の事件で「宗教=危険」という先入観が若干ですが刷り込まれてしまったのでしょう、お参りに来られる方のお子さんが、ご両親が信仰する宗教について「やめてしまえ」とおっしゃるのだそうです。

宗教とは、人の心を安らぎに導き、ひいては社会全体を笑顔あふれるものにするために存在しているものであります。しかし、特異な団体が行ってきたことにより、「宗教=危険」となり、若い方が宗教から離れるだけでなく、年配の方にもそこから離れるように勧告する状況となっているのです。

でも皆さん、よく考えてください。人が生まれ喜ぶ。人が亡くなり悲しむ。この2つは人生最大の喜びと悲しみではないでしょうか。人が生まれるとき、例えば母親が出産の折、父親はどうするでしょう。祈りませんか?神か仏か何かわからないですが、「どうか母子ともに無事でありますように」って。また、人が最期を迎えようとするとき、「まだ死なないでほしい」とこれまた何かに祈りませんか?これが「宗教」の原点です。

「宗教=危険」は、全く違います。人が生きるには、宗教は不可欠なんです。問題は、その宗教が正しいか否かであります。

長年信仰してきた宗教を、断捨離なんてもったいないことはしないでくださいね。

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情報

タイトル和尚と考える終活93:宗教と終活【1】~宗教の断捨離
投稿日2023.10.27
著者 良活和尚
テーマ
アイキャッチ和尚と考える終活93:宗教と終活【1】~宗教の断捨離