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和尚と考える終活

和尚と考える終活95:終活の原点【1】~終活は自分事

和尚と考える終活95:終活の原点【1】~終活は自分事

「和尚と考える終活」も、おかげさまでもうすぐ100回を迎えます。これもひとえにご愛読くださる箱入り一歩手前の皆さん(失礼しました。口が悪いのが玉にキズ……)のおかげと、お顔は見えませんが深く感謝いたすところでございます。今後とも、箱に入るまで末永く、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

さて、100回という区切りに向けて、ここはひとつ「原点回帰」とまいりましょう。「終活」なる言葉についてです。日本の総人口は2010年をピークに減少の一途をたどっております。ご承知の通り「少子化」の波が徐々に大波となり、いつの間にか65歳以上の高齢者の割合が幅を利かせてきたわけです。国は国家を支える世代の減少を見込み、社会保障制度を順番に構築してきました。しかし、現実に高齢者を支えるだけの人口増は見込めないという社会が現実味を帯びてきたころ。平成21年(2009年)に、とある週刊誌で終活に関する記事が連載され、世に「終活本」が出回るようになって、いつしか今日のような市民権を得るに至ったわけです。

言葉があっても、人々が実感としてイメージできないものは、他人事として徐々に忘れ去られてしまうものです。しかし「終活」はどうでしょう。今こうして私のコラムを読む方のほとんどが、「自分事」として認識しておられますよね。すなわち「終活」は、現代日本のニーズに全く合致しているということになるのです。

ではなぜ「終活」が市民権を得たのでしょうか? それは多くの人たちが、「自分の将来から少しでも不安要素を排除したい」という人間が持つ基本的欲求からであります。明日の天気予報が「曇り時々雨」だったら、皆さんはおりたたみ傘をもって出かけませんか? それと一緒です。自らを守る「自己防衛本能」これが終活を成立させていると考えるわけです。

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情報

タイトル和尚と考える終活95:終活の原点【1】~終活は自分事
投稿日2023.11.24
著者 良活和尚
テーマ
アイキャッチ和尚と考える終活95:終活の原点【1】~終活は自分事