読込中

和尚と考える終活

和尚と考える終活102:お世話になります【3】~ご厄介になる

和尚と考える終活102:お世話になります【3】~ご厄介になる

社会生活をする中で、ご自身の拠点と違う場所で生活をせねばならないことがあったとします。そんな時私たちは「ご厄介になります」なんていう言葉を使うこともあるのではないでしょうか。日常的に使われる言葉ではないかもしれませんが、「厄介」これまた嫌な響きの言葉でしょうか。「厄介者」なんて言われたくないですよね。

ですが、私たちはいずれ「ご厄介」になるのです。ご厄介になるということは「厄介者」になるということです。「そんなの絶対嫌だ」と嘆かれましたね。気持ちはわかります。ですがご厄介に必ずなります。命の幕引きが近づきますと、食べること、そして排泄することが上手にできなくなります(これが自然現象ですからね)。そうすると必然的に、どなたかの手をお借りせねばなりません。まさにご厄介になるのです。

私はこのコラムを読まれる皆さんに、幸せなラストランをしていただきたいと、いつも願っています。そのために「私は必ずご厄介になるんだ」ということを、心底自覚してもらいたいのです。ご厄介になると思ったら「頼みます」「お世話になります」「ごめんなさい」「ありがとう」といった言葉が、自分の意思で口をついて出てきますよね。心から出てくる言葉は相手の心に深く響きます。

きっとご家族は「そんなこと言わなくていいよ」とおっしゃるでしょう。でも「親しき中にも礼儀あり」、ご自身の未来から目を背けず、その時のために今日から終活の土台作りとして、「ご厄介になる自分」を認知してください。

早ければ早いほど、不安材料が減少しますからね。ご厄介の掛け合いが人の世ですから。

シェア

X Facebook LINE

情報

タイトル和尚と考える終活102:お世話になります【3】~ご厄介になる
投稿日2024.03.01
著者 良活和尚
テーマ
アイキャッチ和尚と考える終活102:お世話になります【3】~ご厄介になる