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和尚と考える終活

和尚と考える終活66:高齢社会の生き方【5】〜家族に目を向けよう

和尚と考える終活66:高齢社会の生き方【5】〜家族に目を向けよう

前回「家族」が脅かされて、終活がもてはやされてきた、と申しましたね。

さて、皆さんのご家族はいかがでしょうか?昔の家の考え方は、いわゆる「三世代同居」が主流でありました。おじいさんおばあさん、お父さんお母さん、それに子どもたち。お父さんお母さんが働く中で、おじいさんおばあさんが孫の面倒を見るとか、おじいさんおばあさんが弱くなると、孫がお世話をするとか、老若混在の中で生活がなされていたのが、かつての日本社会でありました。それが、戦後の個人主義また経済や豊かさを重要視するあまり、その形が崩れ、核家族化が急速に進み、子どもの面倒を見てくれるおじいさんおばあさんがいないので、子どもの数も減り、同様に弱くなった高齢者をお世話する人材が家にいない、という現象を引き起こしてしまったのであります。

と、和尚が体を震わせて言ったところで、この構造はすぐに戻ることはありません。ですが皆さん、せめてこのコラムの愛読者の皆さんには、真剣に「家族」ということに目を向けていただきたいのです。終活では、「遺言」「葬儀」「相続」とか、いろいろと皆さんにお話をしておりますが、これらは基本的に「相手」のいる話なんです。もちろん、いろんな事情で天涯孤独という方もいらっしゃるでしょう。

ですが、そうでない方においては、まずはご自身の「家族」がその終活の「相手」であることをちゃんと認識していただきたいのであります。終活のラストシーン「他界」を迎えたとき、あなた自身の亡骸を葬ってくださる方はどなたですか?ここに目を向け、ここをどうするのか。これが見えないようでは、終活に取り組む意味がない、と和尚は考えているんですよ。

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情報

タイトル和尚と考える終活66:高齢社会の生き方【5】〜家族に目を向けよう
投稿日2022.10.14
著者 良活和尚
テーマ
アイキャッチ和尚と考える終活66:高齢社会の生き方【5】〜家族に目を向けよう