和尚と考える終活28:葬儀とは【3】~どんな葬儀がある?
昨今の葬儀は多種多様でありますが、実際どんな葬儀があるのか。大きく分けると5つでしょうか。
まずは最もポピュラーな「一般葬」、そして、最近幅を利かせております「家族葬」、葬儀の形態に全くとらわれない「自由葬」、私にはまったく意味不明の「生前葬」、最後に、葬儀と言えないと思う「直葬(じきそう)」、とこんな感じです。「一般葬」「家族葬」の形が、皆さんにとっては違和感のない葬儀の形かと思います。
「一般葬」は、近親者はもちろん、縁故者などにも対外的に死亡を公表し、弔問を受ける形の葬儀であります。「通夜」「葬儀・告別式」を2日間で行うことが多いでしょうね。これも先人の知恵、生者が故人との別れを認識する時間です。
ところで、たまに「密葬」「本葬」といった言葉を耳にしますが、あれも「一般葬」に分類されると思ってください。社会的地位や交友関係が多岐にわたる方などは、普通に葬儀を行いますと、想定を超える弔問者となる場合があります。そのような場合、まずは近親者でお別れを済ませ(密葬)、日を改めて交友関係者の弔問をうける(本葬)形をとります。会社が葬儀を出す「社葬」なども同じ形ですね。
さて次に「家族葬」。本当によく耳にしますが、以前、講座の受講者の方から、「家族葬の定義を教えてください」と尋ねられました。皆さんもきっと知りたいでしょ。即答しました。「商品名ですから定義は決まってません」と。その方、ハトが豆鉄砲食らったような顔をしてました。 「家族葬」これには定義がございません。また別に詳しくお話ししますね。
「自由葬」これは、ざっくり言ってしまえば宗教によらない葬儀の形と認識してください。「生前葬」生きている間にする葬儀。私には理解できません。「直葬」葬儀をせず、火葬できる時間が来たら荼毘(だび)に附す。葬儀とは言えませんね、やはり。