和尚と考える終活39:葬儀の準備【5】~案内リスト
葬儀の準備も今回で一区切りとしましょう。
今回の準備は、葬儀を行う中で最も大切な準備と言ってもよいかと思います。それは「案内リスト」であります。これは、終活をされる方でも意外と抜け落ちている方が多いようです。
葬儀執行責任者、喪主さんが葬儀を執行されますが、この時点においては、葬儀の主役たる「故人」はすでに「故人」でありまして、故人自身が「○○さんには連絡してよ、仲良しだったんだから」なんて言えないんですよね。ですから、生前によく話し合って、お知らせするべき人のリストを作っておいてほしいと思います。
葬儀の形が一般葬であれ、家族葬であれ、「どこまで知らせるのか」は、いきなり降ってくる難題の一つです。日本人の平均寿命はどんどん上昇中です。ということは現役生活を離れて久しい方が亡くなるパターンが多いということであります。
兄弟、親戚関係においても同じこと、80歳代で亡くなればその兄弟もまたそれに近い年齢となり、すでに他界している方もおありかも知れません。そうなるとその方のご子息に連絡をするということになります。親戚づきあいが普段から濃ければ迷うことが無いのですが、そうでなかった場合、迷うことも出てまいります。そのような時、「故人の遺志」が盾になってくれるのです。「ご迷惑かとは思いましたが、亡くなった母が必ず連絡してほしいと、生前申していたもので」となれば、先方もイヤな気はしません。またリストが無かったために連絡できず、あとになって「どうして知らせてくれなかったの」みたいなトラブルも発生するようです。
送る方、送られる方、お互いが意思の疎通をはかれる間に、きちんと準備したいものですね。