和尚と考える終活41:介護保険【1】~介護保険とは
社会にはさまざまな仕組みが存在しています。日本は「法律」によってルールが決められており、権利や義務が付帯されております。終活の中にも、この法律によって行うべきさまざまな手続きがあります。そのあたり、勉強していきましょうか。
皆さん、介護保険という言葉、もうなじみ深いですよね。日本が現在「超高齢社会」の真っただ中であることは以前にも触れましたが、戦後の家族制度の変遷の中でいわゆる核家族が主流となりました。同時に栄養の充足や医療の発達により、「長生き」できるようになりました。これ自体は嬉しいことなのですが、核家族が主流の世帯構成で、その高齢者が「健康」であればよいのですが、老化はどうしても進みます。
すると、家でお世話をすることが困難となり、「入院」「施設入所」となるわけです。しかし、そういった場所にも限りがありますから、できる限り在宅での介護を進めてまいりましょう、ということで、平成12年(2000年)に介護保険法が施行され、介護サービスなるものが構築されたのであります。
ということで、在宅での介護を促進する事業なのですが、まずこの介護保険について少し見てまいりましょう。
保険制度ですから「保険を掛ける人」と「保険でサービスを受ける人」があります。「掛ける人」は40歳以上の国民全員で、一般に給与に保険料率を掛けた額の一部が徴収されます。65歳以上になりますと原則年金からの天引きで納められております。では「サービスを受ける人」ですが、こちらは、第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40歳から64歳)の分類があります。一般にサービスを受けられる対象は第1号被保険者であり、第2号被保険者がサービスを受けられる場合は特定の疾患の罹患(りかん)者に限定されています。
では次回は、少し具体的な手続きについてお話していきます。