和尚と考える終活54:相続【9】~何のための遺言書?

さて今回は「遺言書」を見てまいりましょう。えっ、和尚は遺言書だけじゃダメって言ってたじゃないですかって? いやもちろん遺言書だけではだめですよ。「何のための遺言書か」という意味を深ーく意識してもらわないといけませんからね。でも、したためておくことで助けになるのは間違いありません。しっかり勉強してくださいね。
そもそも遺言書は誰が作成するものですか? 「私」とでも申しましょうか、自分自身ですよね。ではなぜ遺言書を書こうと思うのでしょうか?さまざまなケースがありますが、もっとも多いのが、ご自身のお子さんたちを仲たがいさせたくない、これではないでしょうか。「わが子は、負うた子も抱いた子も可愛い、愛おしい」ですよね。だからこそ、その子に合った財産を分配してあげようと思うのではないでしょうか。
本来、単純に法定相続で事は済むはずです。しかし、その法定相続においても「納得」ができないから「遺産分割協議事件」が多数起きているのです。ですから、そういった闘争をさせない目的で遺言書をしたためる。でもそれだけでは足りないので、「私」の想いを普段から口に出しておくことが重要だと、良活は申しておるのです。
遺言書でできること、実はこれにも限りがあります。何もかも遺言書に書いたら、「葵の御紋」で通るかと言えばそうではありません。やはり法律で、効力が発生するか否か、が決められております。遺言は民法に定められた規定ですから、財産や身分関係について効力を発します。主なものとして、「相続財産の分け方の指定」「相続人以外への贈与の指定」「事業の後継者の指定」「遺言執行者の指定」「婚外子の認知と未成年後見人の指定」などであります。つまり、こういったことが法廷闘争になりがちな案件ということですかね。