和尚と考える終活88:安心への備え【1】~急増する認知症
3年間、日本中、いや世界中を席巻した新型コロナウイルス感染症。国内では感染症分類が変更され、やっと普通の生活、いや違った、以前のような生活(近年はマスク生活が普通でしたからね)に戻りつつあります。拙僧も入院加療中の母親とリアル面会ができるようになり、きっと先に逝かれるであろう人とのかかわりを、少しずつ取り戻すことができるようになっております。
さてそんな中、この国の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳、コロナの影響で少しだけ若返った形になりました。とはいえ高齢化率は依然うなぎのぼりの超高齢社会でございます。そして、以前にお話ししたかもしれませんが、「認知症」に罹患する人の数が急増しております。2020年では631万人で、高齢者のうち18%の方が認知症。そしてあと2年後、2025年には730万人、20.6%との予測がなされております。まさに高齢者のうち、5人に1人が認知症ということになりますね。高齢者の方が10人いたら、そのうち2人は認知症、みたいな社会になるということなんです。
さらに、先日ご紹介した「おひとりさま」。おひとりですからご自身の財産、亡くなられた瞬間に「遺産」に変身しますが、この遺産を相続する人がいないような環境の方が、これまた少なくないわけです。
ところで皆さん、何で終活コラムみたいなものに目を通しているのですか?「えーと、どうしてだったかな…?」えっ、大丈夫ですか?検査に行った方がいいのでは?おっと失礼。終活をするのは、結局のところ、安心したいからなんですよね。 人の命に永遠はない。いつお迎えが来るかわからない。だから少しでも安心できるための準備をしておきたい。そういうことです。
5人に1人が認知症の時代がそこまで来ています。特におひとりの方、どうやって安心しましょうか。その話は、次回に譲りますね。