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和尚と考える終活

和尚と考える終活89:安心への備え【2】~成年後見制度

和尚と考える終活89:安心への備え【2】~成年後見制度

さあ、どなた様も必ず亡くなりますが、寿命が延びれば延びるほど、認知症に罹患する確率も高まるといえましょう。「適当なところでお迎えが来てほしい」おそらく誰もが一度は思いを巡らせた感覚でしょうね。しかし一方で私たちには「執着」というものがございます。「愛別離苦」愛する者との別れは苦である。本当ですよね。でも別れなくてはなりません。そしてその別れの前に「記憶との別れ」ともいえる認知症が増えているのが現状なのであります。

自分が認知症になるかもしれない、としますと、もしなってしまったとき、自分のことはいったいどうやって守っていけるのだろうか?となるわけです。そこを少しでも安心に導くための方法としてあるのが「成年後見制度」であります。この制度、2000年から始まりました。認知症のみならず、知的障害、精神障害などで判断能力が十分でない方の財産管理や契約手続きなどを本人の代わりに行う制度であります。

後見制度には大きく2つがあります。まずは「法定後見制度」。これは判断能力が不十分な場合、本人、配偶者、親族、市区町村長などが家庭裁判所に申し立てをして、家裁が後見人を選び、後見が始まります。もう1つは「任意後見制度」。こちらは元気なうちに自分が信頼できる人との間で任意後見契約を締結しておく制度です。「親の面倒は子が見る」が普通の感覚だと思いますが、全国的に見ますと、2017年のデータでは、親族が後見人となるケースは26.2%で、それ以外の司法書士や弁護士などの第三者が73.8%です。少子高齢化、核家族化がその大きな引き金となっているのでしょう。近年では、司法書士や弁護士などの専門職以外の「市民後見人」という形も期待されております。それほど後見をしなくてはならない人が増加している、ということなのかもしれませんね。

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情報

タイトル和尚と考える終活89:安心への備え【2】~成年後見制度
投稿日2023.09.01
著者 良活和尚
テーマ
アイキャッチ和尚と考える終活89:安心への備え【2】~成年後見制度