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和尚と考える終活

和尚と考える終活90:安心への備え【3】~任意後見制度

和尚と考える終活90:安心への備え【3】~任意後見制度

「最近忘れっぽくなってきたかな?」こんな風に感じるうちは、きっともう少し大丈夫でしょう。問題は、忘れっぽくなっていることさえ感じなくなってしまうことです。認知症は自分ではなかなか分からないということですね。おひとり暮らしの高齢者の方、特に周囲の人とのかかわりが極端に少ない方、ちょっと心配ですね。認知症になっていても、それを判断してくれる人とのかかわりがないわけですから、厄介です。

普段私が「人と人とのかかわりが大切」って言っているわけが、ここでもお分かりいただけると思いますが、まあとにかく、先々の自分が心配な方は「任意後見制度」を結んでおくことでしょうね。この契約は、締結したからと言ってすぐに発効するわけではありません。医師などから一定の診断が下された段階で後見がスタートします。スタートしてからも家庭裁判所が監視役になってくれますから、心配ありません。

実例をお話ししましょう。ある高齢のご夫婦でした。子どもさんに先立たれ、奥様は認知症になり施設へ入所。ご主人はその後ご自宅でひとり暮らしをしておられましたが、そのご主人が急性の心臓発作で救急搬送。それから10日後に逝去されました。さて、奥様は施設入所。ご兄弟は遠方におられるも疎遠で、かかわりを拒まれたそうです。しかし、幸いなことにこのご夫婦は、司法書士さんとの間で任意後見の契約を結んでおられました。そのおかげで残された奥様の施設費、年金の管理などは、後見人の管理で守ることができたのであります。

ご自身の先々が心配になってきた、という方は、任意後見制度について問い合わせてみてはいかがでしょうか。「私はまだ若いから大丈夫!」この自信が、もしかすると一番危ういかもしれませんね。クワバラクワバラ……。

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情報

タイトル和尚と考える終活90:安心への備え【3】~任意後見制度
投稿日2023.09.15
著者 良活和尚
テーマ
アイキャッチ和尚と考える終活90:安心への備え【3】~任意後見制度